2017年夏の動きが少しずつ出始めたので、今号ではその概況について述べたい。お手元にカレンダーを用意しながら、確認してもらいたい。
まず注目すべき点は16年から施行された8月11日の山の日についてである。昨年の傾向を見ていると8月11〜15日までを含めた期間が事実上のお盆休みとなり、非常に高需要、高稼働であった。今年も同様の傾向で、この期間は高需要が予測されており、実際に一番予約が動いているのも、この期間である。
なお、15日については、お盆休みの最終日となる人も多く、ゴールデンウイーク(GW)の最終日同様に家でゆっくりしようという心理になり、宿泊需要は弱まるので要注意である。ただし、GWと違い、この日にイベントがある地域も多く、例外的に宿泊需要が高まる地域もあるので、イベント情報にも留意しつつ、予約動向を見極めてほしい。
続いて、注目すべきは8月16〜19日の期間である。昨年の傾向を読み解くと、むしろお盆期間よりも活発に予約状況が動いていた地域も多かった。仮説ではあるが、長期夏休みを取る場合、山の日制定前は8月の前半(8〜11日あたり)、または後半(16〜19日)のどちらかに割れていたのが、11〜15日が全体的に休暇となったことで、次の土曜日と連結しやすい16〜18日に休みを制定する企業あるいは有給休暇を取得する人が多かったのではないであろうか。そうすると、お盆時よりも全国的に料金が下がる16〜19日の需要が高まるというのも頷ける。
前置きが長くなったが、去年と同じような日並びなので、今年も16〜19日に関しては、高需要が望めるので注意深く予約状況をチェックしていてほしい。
半面、8月前半の需要は弱含みになることが想定されるので、こちらも注意が必要だ。そして、見落としてはいけないのは8月27日以降で、もはや夏休みではないので、この期間は秋に向けて稼働優先施策をお勧めする。
もちろん地域差、施設差はあるが、概ね全国のエリアで同じような動きをしている部分を記載したので、夏の予約が本格化する今後の対策の参考にしてもらえれば幸いである。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)